ま、休日は私、いつもこんなスタイルだし。それ以上云っても仕方ないと思ったのだろう。

「お父さんとお母さんは?」

「車で買い物に出かけてる」
 
紗生がさらりと答える。私が遅く起きてきたことにまだ怒っているのか、彼女の様子は覗い知れない。

「着替えてきなさい。直哉くんがいるのよ」
 
と、南生。あ、まだ怒っていたようだ。

「何ウロウロしてんの。ソファに座れば?」
 
と紗生。彼女の感情は解らずじまいだ。
 
私は手を後ろに組んで、キッチンをうろらうろら動き回る。

「……何か、手伝うこと、ない?」

「ないわ」

「ない」
 
姉たち2人は揃って云った。
 
そして紗生が金属製のボウルを洗い終え、ちゃっちゃっと水切りしながら私に云う。