「へ? オリオン座のベルトの星?」
 
玖生が直哉くんと同じように宙を指さす。

「そう、そしてあのうさぎ座が僕」
 
紗生が珍しく微笑む。

「意外とロマンチストね、伊津くん。南生と仲直りしたんだ。よかった」
 
直哉くんが微笑み返す。

「君たち3人とはこれからも永いつき合いになるんだろうね」
 
夜空に向かって彼は続ける。

「伊津、南生か……」

「えーっ。なに? なに?」

「南生、伊津くんと結婚するの?」
 
玖生と紗生がやんやと騒ぐ。私は照れてその場からぴゅーっと逃げ出そうとした。そこを2人の妹が後を追ってくる。

「つかまえたー」

「何照れてんの、南生は」
 
結局2人に捕まり、左腕には玖生が絡みつき、右手は紗生に握られた。