「頑固なところとか、強がってても繊細なところ、それから突拍子もないことをして周りを驚かせるところ」
 
私はあれこれと2人のことに考えを巡らせた。
 
確かにそうかもしれない。
 
紗生や玖生のことをよく知っている直哉くんだからこそ、云える台詞なのかもしれない。

「南生ちゃんの好きなうさぎ、ほら、オリオン座の下にうさぎ座があるんだよ」

「……よく見えないわ。だけど、あるのね」

「うん。僕はあのうさぎになりたい。君たち3人を、末永く見守っていたい」
 
私は黙って、星のように光り輝く直哉くんの目を見つめた。
 
彼はにこりと笑うと、自然に言葉を吐いた。

「結婚しようね」

「えっ」

「今すぐには無理だけど、いつか」

私の胸はどくんと高鳴った。

「――うん。これって、プロポーズ?」

「うん。プロポーズだよ」