「ああ、南生ちゃん。オリオン座が見えるね」
 
私は、直哉くんとファミレスで勉強をしてから帰宅の途へ着いた。
 
直哉くんの言葉通り、暮れた空には悠然とオリオン座が輝いていた。

「南生ちゃんたちって、オリオン座のベルトみたいだね」
 
南生ちゃんたち、とは紗生と玖生とのことだろう。

「ああ、あの3つ星?」

「うん」
 
直哉くんは暖かい息を吐いて云った。

「結束力が強い」

「まあ、仲は悪くはないわねぇ」

「ひとつひとつの星が、等間隔にいてそれぞれの立ち位置がある。知ってる? あの3つ星って、どれも成分が一緒なんだって」

「そうなの? 成分って……私、紗生や玖生と全く違う性格なのに、似てるかしら」

「似てるよ」
 
以前した質問と同じことを繰り返す。

「例えば?」