「南生ちゃんと離れるのは僕だって嫌だよ」

「でも……国立大でしょ。私、自信ないわ」

「受かるよ。大丈夫。今から勉強すればいいよ。一緒に行こう」

「――……うん」
 
私たちは手を取り合った。
 
空に星は見えなかったけれど、彼の金ボタンはぴかぴかと光っていた。

あたらしい風が吹いた。