がばっと跳ね起きて見ると、玖生が私の携帯で話していた。伊津くんとは、直哉くんのことだ。
何をやっているの! 私は思わず玖生からその携帯を取り上げようとしたけれど、頭がふらふらしてそのままぽすん、と氷枕に頭が収まった。
「あんなの戯言だから、気にしちゃダメだよ。南生だって本気で云ったわけじゃないんだろうし、ね。ごめん。ここは私が謝るからさ、これからもよろしくやってよ。……あ、今、紗生と代わるから」
そう言って玖生はほい、と紗生に私の携帯を渡す。
「もしもし伊津くん? ん? うん。南生ってば、伊津くんと進路が分かれるのが淋しいみたいよ」
そう。そうなのだ。コトの発端はそのことなのだ。私はこころの中で同調する。
「うん、だから、少しでいいから南生のことも考えてくれないかな」
玖生はもう一度紗生から携帯を取り上げる。
「私、玖生。そうなんだよ。紗生の云う通り、南生は淋しいって泣いてた。今すぐにでも伊津くんと結婚したいって」
何をやっているの! 私は思わず玖生からその携帯を取り上げようとしたけれど、頭がふらふらしてそのままぽすん、と氷枕に頭が収まった。
「あんなの戯言だから、気にしちゃダメだよ。南生だって本気で云ったわけじゃないんだろうし、ね。ごめん。ここは私が謝るからさ、これからもよろしくやってよ。……あ、今、紗生と代わるから」
そう言って玖生はほい、と紗生に私の携帯を渡す。
「もしもし伊津くん? ん? うん。南生ってば、伊津くんと進路が分かれるのが淋しいみたいよ」
そう。そうなのだ。コトの発端はそのことなのだ。私はこころの中で同調する。
「うん、だから、少しでいいから南生のことも考えてくれないかな」
玖生はもう一度紗生から携帯を取り上げる。
「私、玖生。そうなんだよ。紗生の云う通り、南生は淋しいって泣いてた。今すぐにでも伊津くんと結婚したいって」