「……ただの風邪だと思います……。朝から熱っぽくて……」
 
私は先生のその顔にうっとりとしてしまっていた。これも熱のせいなんだろうか。

「家まで送ってやる。帰るぞ」

「え?」

「俺の車で、送ってってやる」