ちゅっ、とマナミはまた私のほっぺにキス。

「それはよかったね」

「何よ、その感情のない声は」

「恋のキューピット。これから私のことは恋の天使と呼んでくれたまへ」

「解りましたー。玖生天使さま」

「相手が春なのに、受ける風は北風なのね。今度、サイゼで食べ放題」

「解った。いくらでもおごるわ」
 
私はひらひらと手を振り、マナミから離れた。
 
これ以上ノロケられたら、たまったもんじゃないわ。
 
私は感謝の言葉を述べられるより、イタズラして叱られて逃げ惑う方が楽しいみたいだ。