私は悩み込んでしまっていた。
今日の帰りに渡された進路希望の用紙に、何と書くべきか――。
このまま、高校付属の大学に進むのが無難かしら、と考えあぐねていた。
そのことを、今目の前でほんわかと紅茶を飲んでいる直哉くんに尋ねた。
「南生ちゃんは勉強できるしね。どこに行っても通用すると思うよ」
「そんなことないわ。直哉くんの通ってる進学校じゃ、私太刀打ちできない。きっと成績もテストの順位も最下位の方になると思う」
「行きたいと思うのは、何学部?」
「文学部かしらね。日文科か、歴史科か……。理系は無理だわ。まったくの苦手。英文科だと留学とかしなきゃ意味ないし……。留学でもしたら、直哉くんと遠距離恋愛になってしまうじゃない。そんなの嫌よ」
私は紅茶のカップを両手で包んで言った。
ここは駅近くの店内が白色でモチーフとされた喫茶店だ。落ち着いた雰囲気が好きで、2人でよく来ることが多い。
今日の帰りに渡された進路希望の用紙に、何と書くべきか――。
このまま、高校付属の大学に進むのが無難かしら、と考えあぐねていた。
そのことを、今目の前でほんわかと紅茶を飲んでいる直哉くんに尋ねた。
「南生ちゃんは勉強できるしね。どこに行っても通用すると思うよ」
「そんなことないわ。直哉くんの通ってる進学校じゃ、私太刀打ちできない。きっと成績もテストの順位も最下位の方になると思う」
「行きたいと思うのは、何学部?」
「文学部かしらね。日文科か、歴史科か……。理系は無理だわ。まったくの苦手。英文科だと留学とかしなきゃ意味ないし……。留学でもしたら、直哉くんと遠距離恋愛になってしまうじゃない。そんなの嫌よ」
私は紅茶のカップを両手で包んで言った。
ここは駅近くの店内が白色でモチーフとされた喫茶店だ。落ち着いた雰囲気が好きで、2人でよく来ることが多い。