彼女と一緒に写っている待ち受け画面が、生徒に見られたのがそこまでも照れくさいのか。

「もう、いい。ありがとう。行きなさい」
 
小さな声で先生は言った。

「うふふ、ふふ」
 
私は漏れる笑みを隠せきれなかった。

「行きなさい」

「はーい」
 
私はくるりと先生に背を向けると、るんるん気分で職員室を出た。
 
敵の弱みを握った感じで、私は廊下をスキップしてしまった。
 
すると突然、背中をばん! と叩かれた。
 
じんじん痺れる背を思わずさすりながら振り向く。

「玖生! あんたのイタズラにはほとほと懲りたわよ。その上、喜んでスキップなんかしてんじゃないわよ!」
 
また間違われた。玖生ってば、何をやらかしたのか――。

「あの、私、南生です……」