先生が教室から出て行くと、誰かが叫ぶ声が聞こえた。
「二堂の奴、自分のケータイ忘れていったよぉ!」
教卓の上の白いケータイを振りかざして、クラスのやんちゃ娘、れみちゃんが嬉しそうに目を輝かせている。
そこにわらわらとクラスメイトたちが興味津々で集まっていく。
「開けてもいいかな!?」
「いいとも!」
みんなは狸のしっぽを掴んでやったとばかりに、やんややんやと湧いている。
「おーっ。待ち受け画像が、女とのツーショットだ!」
「おおーっ」
「やるじゃん! 二堂!」
「あのエロ狸め!」
皆、口々に好きなことを言っていた。普段の二堂先生の圧政に苦しめられている生徒たちは生き生きとしている。
私はその騒ぎを遠巻きに見ていた。興味がなかったわけではない。ただ単に、群れの中に入るタイミングを逃してしまったのだ。
「二堂の奴、自分のケータイ忘れていったよぉ!」
教卓の上の白いケータイを振りかざして、クラスのやんちゃ娘、れみちゃんが嬉しそうに目を輝かせている。
そこにわらわらとクラスメイトたちが興味津々で集まっていく。
「開けてもいいかな!?」
「いいとも!」
みんなは狸のしっぽを掴んでやったとばかりに、やんややんやと湧いている。
「おーっ。待ち受け画像が、女とのツーショットだ!」
「おおーっ」
「やるじゃん! 二堂!」
「あのエロ狸め!」
皆、口々に好きなことを言っていた。普段の二堂先生の圧政に苦しめられている生徒たちは生き生きとしている。
私はその騒ぎを遠巻きに見ていた。興味がなかったわけではない。ただ単に、群れの中に入るタイミングを逃してしまったのだ。