振り絞った私の声は低く、震えていた。

「え?」

「いやよ。私の、知らない女の子と、仲良くする、だ、なんて」

「ああ……」
 
私の泣いている理由が解ったという様子で、彼は深く頷いた。
 
そして私の隣に座り、頭をぽんぽんと叩いてくれる。

「泣かせちゃってごめんね。嫌だったよね」

「ひっく、ひいっく……」
 
こころの中が熱くて苦い。何も泣いたりしたくはなかった。
 
自分でも子どもだなあって思う。けれど思いは溢れて止まらないのだ。
 
ちゃんと自分の彼女だと、彼は私のことをあの2人に紹介してくれた。
 
それでもあの子たちは直哉くんのことをいいなって思っていたという。 
 
もしも、直哉くんがああいうイマドキの化粧をした子が好きだと云えば、そこから恋は始まってしまう。
 
私なんかすぐポイされてしまうのだ。
 
直哉くんを取り巻く世の中に、女の子が私しかいなければいいなと思う。