私たちは秋の日差しにキラキラと包まれながら、駅の方まで歩いた。
 
ウインドーショッピングでもしようか、とどちらからともなく云った。
 
近くにはショッピングモールがあって、洋服やらブランド品やらが軒を構えていた。
 
休日のモールは人でごった返していた。
 
幸せそうなカップルが幾組も見受けられた。私たちも素敵なカップルに見えているかしら?
 
そんなことを思いながら自動ドアをくぐり、中へ入ると空気があたたかく感じられた。
 
ということは、外の気温が下がってきているということなのだろう。
 
深い秋の中、冬の足音が聞こえてくる季節だ。
 
私たちは手を離すことなく、寄り添って歩いていた。
 
学校帰りに街の中心部でショッピングすることはあっても、ここの家から近いショッピングモールにはあまり足を運ばない。
 
確か最後にここへ来た時は春物バーゲンをやっていて、私はひとめぼれしたクリーム色のストールを衝動買いしたのを思い出していた。