『本日、１６時より学級委員会が行われます。各クラスの委員は出席なさいますようお願いいたします。繰り返します。本日、１６時より――』
　
静かな空に、校内放送のアナウンスが流れる。ああ、今日は会議か。出席しなければいけない。

私はぐったりとしてお弁当の卵焼きを頬張り、澄んだ空を見上げた。
　
今はランチタイムだった。私はいつもの如く、ひとり裏庭でお弁当を広げていた。
　
至福の時だ。何もかにも雑多なことから免れることのできる、学校内での唯一の時間だった。そんな時間に邪魔者のアナウンスが飛び込んで来た。
　
はあ、と私はため息をつく。そして空を見上げる。
　
もしかしたら、あの白い雲は人々のため息でつくられているのかもしれないな、なんてふと思う。
　
ため息をつくのはやめよう。悪い気が自分に降りかかってくるといういわれがあるから。　
　
癖になってはいけない。
　
そういや、癖といえば森村くんはあくびが癖だったっけ――。

「いた」