ああ、この手があるから、私は苦手な高いところでも怖くないんだわ、と思った。
 
大丈夫だよ、と大人が我が子の手を握るかのように、彼は私の手を掴んでいてくれた。
 
けれど。
 
だけれど、これは、恋ではない。