珍しく妹の玖生に誘われ、私は遊園地なぞという場所に来た。
 
ある、よく晴れた日の日曜日。子どもでごった返す園内をチラッと見ると、見覚えのある影がふたつ、あった。

「いたいた。紗生、こっち」
 
玖生がぐいと手を引き、私を急かす。
 
遊園地なんて、子どもか若いふたりがはしゃぐ為に来るところだと思っていた。
 
私も充分若いじゃないか、ふとそんな考えがよぎった時、ふたつの影へと辿り着いた。

「おーい。大地! 森村くん!」
 
彼らは私たちふたりに気がついた。
 
大地くんが穏やかな笑みを私に向けた。

「遅いぞ、玖生」
 
大地くんは自分の彼女の区別もつかないのかとチラッと思った。

「大地、そっちは紗生だよ」