あ……呆れられたかな? 私の小さな胸はチクリと痛んだ。
 
でも、嘘はつけないし、つきたくもない。

「隠れてこそこそ吸ってた友だちがいたから、私、一本もらって堂々と校内を闊歩してやったの」

「玖生ったら。どこまで好き放題やってるんだか……」

「こそこそするのは嫌だったの」
 
くっ、と伊津くんが笑った。
 
南生もつられてクスクスと笑いあう。
 
さっきから、話す時の伊津くんは、私と南生の目をちゃんと交互に見てくれる。
 
けれど、隣の南生に視線が行った時や、今2人で笑いあったりしていると、なんだか取り残された淋しさを覚えていた。

「南生ちゃんには似合わないけれど、玖生ちゃんがタバコくわえてるのは、なんだか想像できるなあ」

「いやね。同じ顔なのに」
 
同じ顔なのに、伊津くんは南生を好む。私は悲しさがあふれそうだった。
 
そこで、おもむろに私は携帯を取り出した。