細い子が森村くんで、ハンサムな子が大地くんか。どこの誰だか知らないが、玖生の友だちなんだろう。この子は、どこにでも友だちを作ってくる名人だから。

「本当に3つ子なんだな」
 
そう云ったのは大地くんだった。目をきょろきょろと私たち3人に彷徨わせている。
 
森村くんもぽかんと口を開けて、並んだ私たちをまじまじと舐めるように見つめている。

「これが紗生だよ。私の2番目の姉」
 
玖生は私をふたりに紹介する。

「……どうも」
 
私はとりあえず会釈した。

「ちょっと紗生。法被脱いで」

「え? あ、う、うん」
 
私は玖生に文実の法被を剥がされるように脱がされ、玖生は脱いだそれをひょいと大地くんに渡した。
 
そして玖生は私の手を取り、ぼーっと突っ立てる南生の手も取り、私も南生と手を取るように云われた。