アイが死んで、ウチは、笑わなくなった。正確に言えば笑えなくなった。



今まで一緒にいて、心の支えだった子が、自分の目の前で死んでしまったんだから…。







そんなとき、声をかけてくれたのは、斉藤結愛(サイトウ ユメ)




ウチが笑ってないのに気づいたのは、ユメだった。





アイが死んだのは、みんな知ってる。



でも、ウチが一緒にいたことなんて知らない。




だから、誰にも相談できなかった。


一人で抱えなくちゃいけなかった。







最初は、ユメの声も無視した。

でも、あまりにも、話しかけてくるので、『ウザイんだけど』ッて言った。






それは、ウチの賭けでもあった。それでも話しかけてくれれば、ウチはユメと友達になりたい。



それで、話しかけてくれなかったら、また一人になる。




それが、かかっているんだ。