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シンと静まっている社内。…まあ、当然か。



腕時計は7を指している。




「昨日集中できなかったぶん、早く取り組まなきゃ」



どかっと自分のデスクに座る。その反動で、後ろで結んだ髪が上下した。



腕まくりをして、PCを起動する。さっそく打ち込みを始めて、雑念を排除した。




あ、このグラフ、先輩が提案してたやつ…



何気ない書類にも、



あ、この付箋、先輩がこの前つけてくれたのだ…



いつもなら気づかない優しさにも



「…なにこれ…」


引き出しを開けると私の好きなお菓子がたくさん入ってあって



その下に見えないようなところに紙切れが置かれていた。



何度も何度も書いては消し書いては消したのだろうか、筆跡の跡がその文字の後ろにたくさんあった。




そのメモには流れるような字で



“ 笑えよバカ ”


一言書いてあった。





もう、なにそれ。












「先輩が、好きです」









今、あたし人生で一番笑えてる自信ある。