スマホの明かりが先輩の顔を照らす。
明かりに照らされた先輩の顔はいつもと違ってちょっと硬い。
あ・・・疲れてる・・・
足元をやけに気にするときは、先輩が疲れてるサインだ。
明かりがあまりないせいか、普段より色っぽく見える先輩。
今なら男にも見えそう。・・・てか美しすぎて怖い。
「あ、もしもし。麗子?」
『 レ イ コ 』
「!」
先輩の口から発せられた名前が胸に突き刺さる。
やめて、先輩。
そんな顔で笑わないで。
「・・・ん、だよね・・・俺ほんと、大人げない」
そんな切ない声出さないで。
「え?うん・・・俺は好き」
やめて。
「・・・やめてよ・・・」
「え?ちょっと待って」
「・・・っ!」
やばい、気づかれた。
後ろは壁、前には観葉植物。
徐々に近づく足音――