普段飲まない甘いジュースを買ってみて、ベンチに腰かけて缶を傾ける。
みずみずしいオレンジの味。
「・・・なんか気持ち悪い」
自分が自分じゃないみたいで。
なんで、なんでどうでもいい先輩のこと。
こんなに考えてるんだろう。
「・・・・はあ・・・・」
お前は何歳かっつーの。どこの乙女だ。
ん?
突っ込みを脳内でさく裂してみたけど
乙女?
まるで、私が先輩に恋してるみたいな――
「はーつかれた」
聞きなれた耳にとおる声。
徐々に近づくバニラの香り。
え・・・ちょっと今は・・・!!
幸い薄暗いおかげで向こうは人がいないと思ったらしい。
急いで観葉植物の陰に隠れる。
よりよって――
なんで先輩がここに――