「ああ・・・ごめん、暑いの我慢できなくて脱いだ」
「・・・・変態。もういいです」
意外にしっかりした体だった・・・・って何考えてんだ恥を知れ。
「大体、先輩いい年して独り身ってどうなんですか。顔だけはいいんだから女装癖直していい女捕まえればいいじゃないですか」
棚の奥から見つけた真っ白なふきんを半ば乱暴に水でぬらす。
「これで拭いてください。替えのシャツとかどこにありますか」
「ん・・・・あっち・・・」
先輩が指さす方向のドアを開けて、適当にTシャツをつかんで先輩に渡す。
「はい、こんなんでいいですか?自分で着てください」
「ん、サンキュ」
熱のせいで少し赤い頬。私をまっすぐ見てはにかむ先輩。
思わず目をこする。・・・え、ギャップすご・・・
つられて少し赤くなってしまった私。不覚だ。相手は熱で赤いだけだ。不覚だ。
「あー・・・結菜ちゃんいて、ほんと助かった。ありがとね」
女口調か男口調かわからないあいまいな口調で礼を言う先輩。