同じようなビル街が何個も何個も窓から見える。
あー・・・オカマの車窓から?
「あんた変なこと考えてたでしょ「いえまったく」」
下すわよというオーラを向けてくる。
・・・うざったい。
「あー・・・」
だけど、少し違和感に気付いてしまった。
「先輩、声おかしくないですか?」
「え?そんなことないわゴホッ、」
「いやいや・・・嘘下手すぎでしょ。運転代わりますからそこの路地でいったん止まってください」
「え、免許は・・・」
「持ってるに決まってるでしょ。じゃないと代わるなんて言いませんよ・・・」
心なしか汗もかいてるみたいだし、声もいつもと違って少しかすれてる。
「また無理して倒れられたら困ります」
「ははっ・・・あの時も結菜ちゃんが助けてくれたんだっけね・・・」
時折つらそうにゴホゴホと咳をする。
ばれたからって逆に弱いとこさらけ出してるなと思ったけど、
私はそっちのほうが嬉しかったし、安心できた。