ドンッドンッ!!

「レティシア様!」

執事の、アレク=インカールさんが慌てた様子で扉をノックしながら、私を呼んでいた

しかし、その声は私には届いていなかった

「う、嘘よ…嘘よ…嘘、嘘!!」

「レティシア様…!」

「ア、アレクさん…!!

お母様は?お父様は?い、生きてるわよね?」

震えた声で、質問する

「……王妃様は…」

とても言いずらそうに視線を逸らした後、私の瞳を捉えてはっきりと告げた

「…お亡くなりに、なりました」

「そ…んな…」

誰かに嘘だと言って欲しかった

元気にお仕事をしているよ、と言って欲しかった