試験の期間はあれだけ人が構内にいたのに、
徐々にその数が少なくなってきた。
みんな帰省したり、旅行に出かけたりしているみたいだった。
わたしももうひまなんだけど、
お昼ごはんを食堂で食べる習慣ができていたから、
なんとなく学校に足を向けていた。
その日はとても暑かったので、一人でベンチに腰掛けて、アイスクリームを片手に
デニムのスカートから出た足をぶらぶらさせていたときだ。
携帯から音楽が鳴って、メールを受信したことがわかった。
開いてみると、久しぶりにりゅうさんからのメールが来ていた。
めんどくさいなあ。
そう思ったけど、念のために開いてみる。
「今、病院。ここに電話して。」とあって、
携帯の番号が書かれてあった。
直ちゃんに何かあったのだろうか。
そう言えば、ときどきオーブンでやけどすることがあるなんて言ってたな。
「りゅうさん?直ちゃんなんかあった?」と電話がつながるなり言うと、
りゅうさんが爆笑するのが聞こえた。
「なあ、どうしたん?」
わたしは必死なのに。
りゅうさんは人を食ったような笑い声で、
「なおは元気で仕事行ってるで。」と言う。
なんでよ、病院って何?と言うと、
「今、虫歯治してきた。」なんてのんびりした答えが返ってきた。
「はあ?誰の?」
「おれや。お前、ちょっとはおれの心配もせえ。」と、少しすねている。
「虫歯って、子どもか。」
「あほ、虫歯をほっとったらろくなことがないぞ。
怖がらずにちゃんと歯医者行けよ。」
「歯磨きしとるから大丈夫。」
こいつ、こんな漫才がしたくてかけさせたのだろうか。
この前はそれなりに繊細なところを見せたのに。
でも、こうやってばかみたいな話し方をするのは、
もしかしたらりゅうさんなりに気を使っているのかもしれないと思った。
徐々にその数が少なくなってきた。
みんな帰省したり、旅行に出かけたりしているみたいだった。
わたしももうひまなんだけど、
お昼ごはんを食堂で食べる習慣ができていたから、
なんとなく学校に足を向けていた。
その日はとても暑かったので、一人でベンチに腰掛けて、アイスクリームを片手に
デニムのスカートから出た足をぶらぶらさせていたときだ。
携帯から音楽が鳴って、メールを受信したことがわかった。
開いてみると、久しぶりにりゅうさんからのメールが来ていた。
めんどくさいなあ。
そう思ったけど、念のために開いてみる。
「今、病院。ここに電話して。」とあって、
携帯の番号が書かれてあった。
直ちゃんに何かあったのだろうか。
そう言えば、ときどきオーブンでやけどすることがあるなんて言ってたな。
「りゅうさん?直ちゃんなんかあった?」と電話がつながるなり言うと、
りゅうさんが爆笑するのが聞こえた。
「なあ、どうしたん?」
わたしは必死なのに。
りゅうさんは人を食ったような笑い声で、
「なおは元気で仕事行ってるで。」と言う。
なんでよ、病院って何?と言うと、
「今、虫歯治してきた。」なんてのんびりした答えが返ってきた。
「はあ?誰の?」
「おれや。お前、ちょっとはおれの心配もせえ。」と、少しすねている。
「虫歯って、子どもか。」
「あほ、虫歯をほっとったらろくなことがないぞ。
怖がらずにちゃんと歯医者行けよ。」
「歯磨きしとるから大丈夫。」
こいつ、こんな漫才がしたくてかけさせたのだろうか。
この前はそれなりに繊細なところを見せたのに。
でも、こうやってばかみたいな話し方をするのは、
もしかしたらりゅうさんなりに気を使っているのかもしれないと思った。