また考えなあかんな。

そう思ったけど、それはいやなことではなかった。
前ほど、自分の将来に悲観的ではなくなっていたし、
やらなければいけないことではなく、やりたいことを考えるのは楽しかった。

あるとき、誰もいない台所でたばこを吸いながら、
小さい頃、母親とケーキを焼いていたことを思い出した。
あれやったらできるかなあ。
神戸やったら食いっぱぐれもなさそうやしなあ。

神戸には洋菓子の店がたくさんある。

まあ、第一候補やな。

結局、それ以外の候補は卒業までにあがってはこなかった。