二杯目のカクテルを頼みながら、川本さんが言った。

「ほんで、お兄ちゃんも行方不明なんやろ。
勉強だけしててもあかんもんやな。」

それから先の話は覚えていない。

店を出たのは8時を過ぎた頃だった。

わたしの顔色が悪いのを、樹里ちゃんが心配してくれたけど、
飲みすぎって訳でもないからどうしようもない。

みんなでアドレスの交換をして、またメールするね、と約束する。
カラオケ行こ、という誘いを断って、
わたしは一人で三宮の夜を歩き始めた。