メールを開いて、りゅうさんはすごくうれしそうに笑った。

「みーちゃん、ええなあ。なおなんかやめておれにしとけば?
おれのほうが絶対合うと思うで。」

「あほなこと言わんで。」

しばらくにやにや笑っていたりゅうさんだったが、
不意に立ち上がって、直ちゃんのいた席に座りなおした。
わたしに向かい合うと、突然冗談を言っていた笑顔が消えて、真剣な顔になった。

それの表情にはなんとも言えない妙な迫力があって、わたしの呼吸が不意に早くなる。

あまりの急な変身に驚いているわたしに、
りゅうさんは厳しい、真摯な目を向けた。
それから一度、迷ったように目を伏せて、
意を決したようにまっすぐにわたしを見据えて言う。

「なあ、みーちゃん。
なおはやめとき。…あいつには、手を出すな。
あんたにあげるわけにはいかん。」

え?何を言ってるの、この人は。

わたしは声が出ない。

心臓がはねかえって、どんどんいう音が体の外まで聞こえそうな気がした。

春の日差しで、アイスクリームがあらかた溶けてしまっていた。