「仲ええねんな。このお店にもよく来るの?」

さっきのウエイターのおじさんも、りゅうさんを知ってたみたいだし、
ちょっと気にかかる。

というのは、最初このお店に来たとき、
直ちゃんが以前、誰とここに来たのか、考えてしまったからだ。

お昼だから、明るくて気軽な感じがするが、
夜になったらきっと、雰囲気のあるいいお店になるだろう。
そんなところへ、誰かと来たのかな…。
そう、思ってしまったのだ。

「そやで。」

と、ピザに手を伸ばしながらりゅうさん。

「二人で来るの?」

「…。みーちゃん。今、おれのことかわいそうやと思ったやろ。」

今度は直ちゃんだ。

「え、そんなことない。」

むしろほっとしたんですが。

「こいつ、ほんまに暇やから、しょっちゅうこうやってついてくるねん。
だいたい今日かてなんでお前が来るねんな。」

ほんとに。いまさらだけど。

「だって、なおの大事なみーちゃんに会いたかってんもん。
な、みーちゃんだっておれに会えてうれしいよなー。」

大事な、がうれしくて、わたしはにこっと笑ってしまった。
りゅうさんが、にやっと笑いを返す。

おい、誤解すんな。

「でも、りゅうさんも忙しいんやないですか?
もう就職決めはったん?」

直ちゃんと、年齢は同じらしいので、
だったらもう4年生のはず。

「まだまだ。だっておれ、まだ2年やもん。」