朝起きて、ご飯食べて、学校の準備をして、家を出る。


「行ってきます」


小さい時から変わらない、この家の周辺。


「あ。」


忘れてた。


「ちょっとぉー!!!お姉ちゃん!!どうして優をおいてっちゃうの!?」


可愛い顔を鬼の形相にして走ってきた少女。


この少女は、私の妹だ。


生まれつきの茶髪の髪を高い位置で二つ結びしていて、ただでさえ可愛い顔に、化粧品を塗りたくっている。


「ごめーん。忘れてた」


「忘れてたって、なんだし!!」


手を組んで、鼻をフンッと鳴らしている。


「あんた...また、お母さんの化粧品を勝手に使ったのね?」


異様に肌が白くて、真っ赤な口紅、目の上は、青色。どう見てもおばけだ。


「女なんだから、当たり前っ!」


「ハァ。そんなんで、幼稚園行けるわけないでしょ?」


そう。私の妹、優(ゆう)は、こんな口調で、初心証明の5歳児である。