音のした方向を見てみたら…少し細いパイプのようなものが転がり落ちている
僕はそれを手繰り寄せて必死に立ち上がる
そうしている間にも猪のような生物はのそのそと距離を縮めている…残り６㍍位にまで
（よし…立てた…ならこれでたたか…）
ヤケクソで戦闘をしようと相手を睨めつけるように見る
（ムリィー！怖い無理…嫌だ〜ん!!!）
自分でも意気地がないなと思うが無理なものは無理！
即座に猪から背を向けてよろめきながら走りだす
（どうしようどうしようどうしようどうしよう…）
無我夢中で走る
が…背を向け逃げる姿を見て猪が追いかけてくる
身体が大きいせいかあまり足は早くないようだが…そんなこと考えている余裕も無い！
（なんでくんの何で？ナンデ!?）
必死に逃げるが崩れた瓦礫が道を塞ぎ
行く手を阻まれる
（え…どし…え…にげ…え？）
必死に抜け道を探すが猪が来る方以外道がない
気がつけば猪が残り15㍍ほどまで迫っていた
