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一ノ瀬 隼人。


私と同じ高校に通ってる1つ上の先輩。


偶然苗字も同じで、私が入ってる部活動の調理部で料理などたくさんのことを教えてくれていた。


先輩はとても男性とは思えないほど器用で、いつも丁寧に優しく教えてくれていて、私はそんな彼に次第に心が惹かれていった。


それからしばらくして私は先輩に思い切って告白をし、無事付き合うことができた。


毎日を楽しく先輩と過ごすことができて、充実した日々だった。


だけど……付き合って3ヶ月が経った頃、私は生まれて初めて死にたくなるような苦しさに襲われた……。



『隼人が植物状態になったの……』



突然だった。


話によると、学校帰りに先輩が私を家まで送ってくれた後、その帰り道で交通事故にあったらしい。


その日は後からもう一度来るって言われてた日で楽しみに待っていたんだっけ。


先輩の手には何か持っていたみたいだったけど、病院に運ばれたときにはそれが無かったらしい。


事故での打ちどころが悪かったらしく、病院に運ばれて手術をして命は助かったけど、意識が戻らないと言われたという。


その電話が先輩の携帯番号でかかってきて、先輩のお母さんが代わりに教えてくれた。


私が暗くなり始めたのは、これがきっかけだった……。

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