「ちょっと先に学校行ってよ。昨日の今日で一緒に遅刻なんてあやしまれるから。」

「は?俺そういうの気にしないから」


「私が気にする。面倒なことには関わりたくないから、マジでやめて」

「じゃゆなが先行けよ」

私の背中を押し
バイバイと手を振っている。

ふう。まじありえない。まさとと仲良いと思われたら、目立っちゃうし。
勘弁してほしい。

私はまさとを置いて、走って学校に入り込み、教室へ向かった。

授業に間に合ってよかったー。

「飯田さんおはよー。体調大丈夫??」


「あっ小林さん。おはよ。もう平気。また電車の中で貧血起こしちゃって。。。」

遅刻、早退の理由は決まって貧血。
学校にも周りにも嘘ばかり。

素でいればいいのにか。

素で居られるほど私はいい人間じゃない。高校生を演じなければ生きていけないんだ。


「ねっ一それよりさー学期の成績みた?飯田さん一位だったよ!ほんとすごいんだけど、いつもいつも、いいなー」

一位取らないようにしてるんだけど、
テスト受ける時、いつも普通に解いちゃうって
はぁー。失敗したなー。


キーンコーンカーンコーン

席に座る前に、後ろを振り返って
まさとを探したが、


あれ?
なんで?

いない。。。

ほらー飯田座れー

先生に言われ、私は席に着いた。

授業には、間に合うはずなのになんで?