「・・・・・・・・」


「どんなゆなでもいい。

だから、
変なやつと会う時間があるなら、
一人でつまらなくしてるんなら
俺といればいい。

だから遠くに行くな」


ゆなは
やさしく、ゆっくりと
俺の腕を体から剥し、
俺の体から離れた。

彼女はまた違う顔をしていた。
いつもの余裕はどこにもなく、
弱々しくみえた。

彼女はすぐに下を向き、
俺の両手首を強く掴んだ。

「滝口くんは優しいんだね。

でも、私は大丈夫だから」



「そうやってまた突き放すのかよ」


俺は彼女が掴んでいる手を振り払おうとした。

だが、彼女は離そうとしない。


「本当に辞めてくれる?」


彼女は掴んでいた手を離し、
カバンを持って、
出ていった。


彼女の心には
俺の言葉は響かない・・・