伊達は結局おとなしく、
最寄りの駅まで車を走らせ、
俺たちを降ろした。

「ねぇ。」

。。。さっきまでピリピリしてたゆなが。。
いつものゆなの表情で。。

調子狂う。。

「なに?」


「まさともう一つお願いがあるんだけど。。。いい?」

「ああ?」

「えっと。。さ。。これ!」

ゆなはジャケットのポケットから巾着袋を出した。しゃりしゃりと鳴らしている。。。
巾着袋を触るとつぶつぶしてる。。。?

「なに??」

ゆなが巾着袋から取り出した。。
ブレスレット。。。
。。。

そういえば。。。

「約束してたから。。。」

。。直したら俺がつけると言ってからそのままになっていた。こんなにも辛いことがいろいろありながらも、ちゃんとゆなは覚えていてくれたのか。。。
ゆなが持っているブレスレットをとり、
ゆなの左手首につけた。

「ありがとうまさと。」

「外すなよ」

「外さない。私にとってはお守りみたいなものだから」

久々だなこの感覚。
この空気を崩したくない。。。
だが、さっきのことで聞きたいことは山ほどある。。。

「帰るか。ちゃんと送らせろよ。心配だから」

「はーい。」

俺たちは電車に乗り、ゆなの家に向かった。

二人で電車に乗るのも、二人で歩くのも
久々で。前のようにいつもの俺らに戻った気がした。。。
まさかさっきまであんな大変なことがあったなんて嘘みたいな時間で。。
だけど、それはきっとうわべだけで。。。
核心を聞けない俺はやっぱ弱すぎる