補習授業が始まるとみんな静かになった。
どうやら補習授業は
再々テストの内容らしいが、
隣を見ても前を見ても、
矢野くんの友達は全く聞いておらず、
漫画やら、雑誌やら、
スマホいじってる奴やらばかりだ。
気付いているのに、何もしない先生も最悪だ。
まぁ、私も普通の授業は全く聞いていないから
人のことは言えないけど、
これさすがに授業として成り立ってないし。。。

そんな中、一人だけ真面目にノートを
取っている子がいた。そもそもそんな子が
こんな補習授業を受けなくちゃならないって方が、おかしく見える。
最初からそこまでやってたら
再々追試受けなくて済んだだろうに。。
今この状況だと、
かなり彼は浮いている。

矢野くんに彼のことを聞こうとしたが、
隣で爆睡してるし。。。

それにしても補習授業に30人も
いるなんて、知らない世界を知ってしまったな。
うちの学校にも不良っぽい子が
いるっていうのも気づかなかったし。

「じゃあここを宿題にします。
これを宿題を、本日の出席とみなしますので、
必ず明日までに提出してください。
以上」

ガラガラ。。

そういうこと。。そりゃ授業聞いてなくても、先生的には別にっていう雰囲気なわけですね。

ほほー。ようやくシステムがわかった。。
って、半分聞いてなかった。
どこを提出すればいいのだろう。
明日授業中にやろうかな。。。

「ねっあ、矢野くん寝てたのか。。
アカさん、宿題の場所どこ?」

「飯田ちゃん。何言っとんのー?
こういうのはねー。。

おーい中村くん。
また宿題ちゃーんとやっといてなー。
たのんますー。」

「あっおれのもねー」


。。。と言って、さっきの真面目な彼に
みんなノートを彼の机の上に置いた。。
私はとっさに隣を見た。

矢野くんの顔は少しイヤイヤそうに見えたが
彼の机の上にノートを置いた。