其処にポッと灯りを灯す。


綺麗な紅が蜃気楼みたいにゆらゆらと揺れた。


私はゆっくりと腰を下ろすと細い背を撫でる。




白くて華奢な指が縋り付くように袂を握っていた。


どうしてこんなに怖がるんだろう。


外に出なければいいのかと思ったけどそうでもないみたいだし。




以前は幼いからなのだと思っていたが、これは明らかに“違う恐怖心”だ。

何に対して怯えているのかはわからないけど。


私の膝に乗った宗ちゃんは静かに泣くだけ。


何も話さない。

何も言わない。


其れが不安だった。