そうこうしている間に雨が降ってきた。


ポツポツと私と宗ちゃんの肩に降り注ぐ。


辺りはゆっくりと薄暗くなっていった。


ピカッと雷が光る。

どこかに落ちたのか大きな雷鳴が聞こえた。


宗ちゃんが私の着物を握る手に力が込もる。

その手が微かに震えていた。




ーーどうしてかわからないけれど宗ちゃんは雨を見ると怖がった。


いや、雨だけじゃなくて雷や暗闇も。


怯えた目をして静かに泣くんだ。


声を押し殺して。


そんな宗ちゃんにとって今は最悪な状況だ。

私は彼を抱きかかえると部屋に入った。




小刻みに震える細い背が痛々しい。


案の定部屋は真っ暗だった。