なに?姉上、と首を傾げる宗ちゃん。


ミツさんは自分の着物の裾を掴む宗ちゃんの手を再度振り払った。


今度こそ、宗ちゃんの笑顔が凍る。


「姉上?どうされたのです?」


自分を見上げる宗ちゃんをミツさんは暫く目を細め愛おしそうに見つめていた。

その瞳が本当に優しくて。


ああ、この人は覚悟を決めたんだと思った。


「ごめんね、宗ちゃん。私はあなたを連れて帰れない」

「え?」


木枯らしが吹き抜ける。