(………っ!!)






エレティナは息を呑んで、はっと目を覚ました。





どうやら、鏡台に突っ伏したまま、いつの間にかうたた寝をしてしまっていたらしい。





全身がぐっしょりと冷や汗に濡れていた。





神がお怒りなのだ、とエレティナは恐れおののいた。





レイモンドへの恋心を秘めておけば、押し殺していれば、それで済むのだと思っていたのに。





神に対して、そのような誤魔化しは通用しないのだ。





どうすればいい、とエレティナは目を瞑った。





捨てなければならない。




レイモンドへの想いを、捨てなければならない。





頭では分かっているのに、自分の心が思い通りにならないのだ。