『ーーー許されぬぞ』






目の前に、白い髭をたくわえ、白い杖を持った老人が立っていた。





その老人が、燃えるように厳しい目つきで、エレティナを強く見つめている。






『お前のその想いは、決して許されぬものぞ』





地の底から響いてくるような低い声に、エレティナは怯えた。





老人は、神だと直感した。




エレティナが生涯を捧げるべき神だと。






その神が、エレティナへの怒りを露わにしている。





理由は自ずと知れた。





エレティナの恋心だ。






『私に仕えるべき巫女たるお前が、他の男の面影を胸に抱いているとは、何事だ』






ごめんなさい、ごめんなさい。




エレティナは地にひれ伏し、神の許しを乞うた。