今日の晩餐会は、国政に携わる重鎮たちを招いて、明日神殿入りするエレティナ王女の門出を祝うものだ。




主役たるエレティナは、念入りな化粧を施され、贅を極めた最高級のドレスを身に纏い、宴の催される大広間へ向かった。






「エレティナよ、ここへ」






エレティナの父である国王が、晴れやかな笑顔で彼女を迎えた。






「とうとう明日だな。


愛しいお前にもう会えなくなると思うと辛いが、これも国のためだ。


お前も、そのことを誇りに思って、どうかその生涯を捧げて神にお仕えしておくれ」






「………もちろんでございますわ、お父さま」






エレティナは心を殺して、穏やかな笑みを頬に浮かべた。