「たぶんって…」
タケルは呆れたような顔になった。
そしてまた何か言いかけた時。
キーンコーンカーンコーン…
4限の終了を告げるチャイムが校内に鳴り響いた。
「あ〜っ終わったぁ!!疲れたぁ!!」
アスカは思いっきり伸びをした。
「おま…、授業ろくに受けてねぇんだから疲れねぇだろ?」
タケルがシャーペンを筆箱にしまいながら呆れたように笑う。
「だって〜、席に座ってるだけで疲れるもーん!!」
アスカがぷうっとふくれて見せると同時にアスカの肩に誰かの手が置かれた。
「相変わらずおふたりさん仲いいねぇ」
同級生の中山ナツキだった。
綺麗な黒髪をポニーテールでまとめ、活発そうな雰囲気の子だ。
左目を隠している長い前髪を払う姿は雰囲気とはかけ離れて大人っぽい。
「べ、別にそんなじゃないしっ!」
アスカは怒ったようにふんっと横を向いた。