「私の美春に触らないでくれるかしら?」


そういった杏奈は柊人に拳を受け止めていた。
そして…

「凛蝶…」

になっていた。
凛蝶は杏奈の通り名。
繁華街では嵐龍の次に有名な人達がいた。
それは凛姫という2人の女たちだった。
凛蝶の凛、姫歌の姫、その頭文字が組み合わさり繁華街でその名前が広がった。


「なんで凛蝶がここにいんだよ…」


驚きが隠せない柊人。
凛蝶の特徴は黒髪に金のメッシュ。
そして…左目が赤いということ…だ。


「私の美春に触らないでくれるかしら?」
「み、美春は俺の許嫁だ!!」
「あら、それはないはずよ?だって貴方が美春の両親を事故に合わせて美春の会社は今は私の父が経営中。
つまり、私の父が取り消しにするといえば取り消し。」
「まさか…!!」
「ええ、取り消しにいたしましてよ?」


そういった杏奈の顔は何処か楽しそうだった。