あれはわたしの入学式の次の日だったよね。

入学式の日は早く帰ることもあってか先輩とか全然見てなくて。

入学式の次の日、いっしょの高校行こうねって約束した中学からの親友の鈴川春歌(スズカワ ハルカ)と家が近いという理由から2人で登校していた。


学校についたところで春歌が
「ごめん美喜!トイレ行きたくなったから先に行ってくるね!」
と言い先に行ってしまったのだ。


仕方なく1人で教室に向かおうとして、階段をのぼったのだが。

油断していたのか、足を踏み外してしまった。

「うわっ!!!」

やばい落ちる!と目をギュッと瞑り背中に受けるであろう衝撃を覚悟した時。

ポスッという音と同時にすっぽり何かに包まれるような感覚。

えっ?何?
と恐る恐る目を開けた。

すると目の前には今までに見たことないくらい美形の顔。

瞬きも忘れ固まっていた。


「大丈夫?」

そう声をかけられたハッと意識を戻した。

え!?もしかしてわたしお姫様抱っこされてる!?

状況を理解した瞬間冷や汗がだらだら。


「わわわ、すすすいませんっ!!」


わたしが慌ててるとその人はそっと下に下ろしてくれた。