お昼の時に、奈津は早速不満を爆発させてい
た。
「酷くない?春子にあたった挙句、イタズラまでするなんて!」
「イタズラって昨日の人がやったんですか?」
黙って聞いていた斉藤が口を挟んだ。
「そうだよ!ね、春子?」
「うん…。」
なんとなくあの表情がひっかかる。リーダー女
子はあの時、被害にあった上履きを見て驚いた
ような顔をしていたからだ。
「二人とも、その子の名前とかはわかる?」
「ううん。同じクラスの子とかじゃないんだけど…。」
「そっか。分かれば注意くらいはできると思ったんだけどな。」
「そう言えば、最近はお昼の時に遠藤くんがいなくなるとか言ってたよ。」
昨日言われたことを思い出して伝えてみたら、
遠藤は少し考えこんでからもしかしたら俺のク
ラスの人かもしれないと言った。
「もしまた同じようなことがあったら俺に伝えてくれる?」
私達は頷いて、学習室を出た。