次の日の朝、下駄箱を開けると、予想通りと

いうように上履きが水浸しになっていた。

「典型的すぎるだろ…。」

あまりの手口の古さに思わず呆れてしまう。

「春子~、私の上履きも濡れてるよ。」

「奈津のもか。しょうがない、職員室でスリッパ貸してもらおう。」

2人でぺたぺたとスリッパで歩いていたら、後

ろのほうからクスクスと笑い声が聞こえた。昨

日のリーダー女子の声だ。

「どうしたの?2人してスリッパ履いちゃって。あれ、もしかして忘れたの?だっさーい。」

「話はそれだけ?じゃあ、急いでるんで。」

話してても無駄だと思ってさっさと行こうとし

たらちょっと待てと引きとめられた。