あの後は特に何も起こらなかったけれど斉藤

は心配ですと言って前みたいに家まで送ってく

れた。

「奈津、今日誰かに何かされなかった?」

『別に何もされてないよ?』

「そう、なら良かった。」

夜になって、心配して電話を掛けてみたけど、

どうやら奈津は何もされてないようだった。

『ええっ、そんなことされたの?』

「うん、びっくりした。もしかしたら明日、また何かされるかもしれないけど。」

『何もないといいけどね…。』