だいぶ人が減ったのを見計らって、遠藤のも
とへ行った。
「話があるんだけど、ちょっと来てくれる?」
「五十嵐さん?いいよ。二人ともちょっとごめんね。」
二人の女の子の凍てつくような冷たい視線を受
けながら遠藤を連れだして、ひと気のない廊下
まで来た。
「もしかして、あの時言ったこと考えなおしてくれたのかな?」
バカ、違う。お前もどれだけ自意識過剰なんだ
という言葉を呑み込んであのことを聞いた。
「遠藤くん一体何の真似なの?お昼一緒に食べようだなんて。」
「何の真似って、ただ純粋に一緒に食べたかっただけだよ。ダメかな?」
なんて嘘くさいんだ。他の人が聞いたら簡単に
信じてしまいそうだ。
「ダメって言ったら?」
「ひどいなあ、五十嵐さんは。」
言葉とは裏腹にハハハッと笑っている遠藤。